加工にそれほど大きな力を必要としないときは、フットプレスを使用します。足で蹴り飛ばすようにペタルを踏み込むので、蹴飛ばしとも呼ばれます。
業界ではこちらの呼び方のほうが一般で気です。
ちょっとした加工であればこの機械で十分で、小回りが聞きますので、さまざまな用途に使用されます。
写真の例では、金具に刻印を入れています。蹴る力を一定にしないと仕上がりにばらつきが出るため、ある程度の慣れが必要です。
左の写真では蹴飛ばしに金型をセットして曲げ加工をおこなっています。
ただの曲げ加工を思われるかもしれませんが、型を使用することにより、ばらつきの少ない正確な製品が短時間で製造できます。
両端を折り曲げ加工する金型ですが、中央部が可動式になっており、加工途中で曲げ位置がずれることを防いでいます。
複雑な形状の製品は、複数の金型を用いて順番に加工を行います。
同じ金型で複数の工程をこなせるように加工順序を考えて、使用する金型の数を最小限にしています。
金具のデザインと、加工工程は密接に関係していますので、コスト・生産性もふくめて非常に多くの事柄を判断し、製造設計を行います。
商品価値を大きく左右するカーブも金型によって生み出されます。
金型の細かい凹凸であっても、そのまま製品の表面に転写されてしまいます。
マシニングセンタ等の機械で細かいところまで彫ることが可能ですが、細かい切削跡が残ってしまいます。
そのため、最後の仕上げは、ヤスリと砥石を使って職人が磨き上げるのです。